アフリカから来たUnilorin 1
It began in Africa
2019年12月のことだった。COVID-19の直前の時期であり、今から思えば隔世の感がある。
当時ベトナムに居住していた私は(今でも居住しているのだが)、Lazadaというこちらの通販サイトで妙なマシンを見つけた。
Unilorinという聞いたこともないWindows 10のタブレットである。どうやら、ナイジェリアのイロリン大学というところで使用されている学生用タブレットらしい。
そして、お値段なんと100万ドン。といっても高いか安いかわからないだろうけど、むちゃ安い。当時のレートで5000円ぐらいである。しょぼいスペックの型落ちタブレットなのだから使い道がないという意味では5000円でも高いのだが、しかしまあ、ナイジェリアからどういう経緯でベトナムの通販サイトの片隅に流れて5000円で売っているのか、そちらの方にロマンを感じた。
現実は中国で作ってて隣国に横流しされたってだけのものだろうとは思う。ロマンもなにもない話ではあるが、なんとなく魅力を感じてしまって、買ってしまった。
牽強附会すれば、これぞグローバル化である。ナイジェリアの大学生が学校で配給されたWindowsタブレットを使うというのはへんに現実味があるし、大学で使うのならばそれなりの数ははけるから、中国であるていどカスタマイズしてしまうのもいい手だし、それが横流しされたってのもさもありなんと思う。コモディティ化とグローバル化。フラット化する世界で人もモノも縦横無尽に移動するというものである。いかにもコロナ直前の話だ。
「色物に目を引かれた」というだけのことに説明がくどいか。
Memory
これがスペック。ベトナム語の読めない方でも気合で大体雰囲気がつかめるのではないかと思う。
最初からどうにかなると思ってたわけではないけど、あらためて使ってみるとこれはひどい。
RAMが2GBなのはまだ良いとして、ストレージが16GBというのがいけない。別パーティションの起動ディスクみたいなところで3GBぐらい使っており、実質13GBしかなく、Windows 10だけで11GBぐらい使っている。これだとまともにWindows Updateもできない。
動かしたところで、こんな低スペックのWindows 10 tabletがあったところでしょうがないので、入手しただけで満足してそのまま放置してしまった。
本当を言うと、Windows Updateに失敗したのだ。ストレージが少なすぎて動かない。UnilorinはMini USBが一口しかなく、ここにUSBメモリをつなぐと電源供給ができず途中でバッテリが切れ、電源に使うとストレージが足りない。一時ファイルを主導で削りまくって文鎮化一歩手前まで攻めたのだが、だんだんこの努力がアホらくなってきた。こんな私を誰が責められようか。
Windows 10なんかはさっさと消して、Linuxでも入れようとも思っていた。だってこれはタブレットには珍しく「PC/AT互換機」である。今どきはそんな言い方はしないだろうけど、そういうこった。でもなんか、ちょうどChromebookとか出てきたころであり、それもアホらしいなともって、それもあって。だいたいLinux tabletがあったところで使い道がないのには変わりないし。
季節だけが君を変える
放置すること4年。いつしか2023年になっていた。コロナがやってきて通り過ぎて行って、台風一過で世界が大きく変わった気がする。
そのこととUnilorinにはなんの関係もないのだが、米中確執半導体規制みたいな物騒な話題が吹きすさぶ中で、何かの折にMicro SDカードを見たらびっくりすること安かったからである。64GBで数百円だった。なんだかなあ。
で、とりあえず数百円で64GBのMicro SDカードを買ってみて、買ってから私は特に外付けストレージを必要としていないことに気がついた。クラウドしか使ってないからローカルの記憶領域なんか持て余している。2TBのSSDが余ってしまって、むりやり外付けとして使っているけど入れるものがない。
そういえば、あのUnilorinってMicro SDの口なかったっけ?
あった。入った。ぶっこんだらあっさり認識した。
更新とセキュリティ>回復>このPCを初期状態に戻す
でファクトリーリセット。
あっさり再インストールして、そのままWindows Updateに突入。外付け64GBを使って、4年前に散々手こずったWIndows Updateもあっさりと終わって、最新のWindows 10になった。
そうか。SDカードか。冷静に考えてみると4年前だってMicro SDなんて大して高いものではなかったし、時代もコロナも関係なく単に私がちゃんとやってなかっただけである。ちゃんとやってたらどうかなってたのかと言うとなってなかったと思うので別にいいのだが、2019年に存在していても持て余していたであろうクリーンインストールした直後の生まれたての子鹿みたいな低スペックフル稼働Windows 10 tabletが2023年に爆誕してしまった。
さてどうするよこれ。
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