Webページの多言語化に活用できる助成金
(助成金がテーマなので、あえて「いらすとや」さんをメインビジュアルに使ってみました。多謝。)
今までホームページの多言語化についていくつか記事を書いてきました。海外個人旅行客の増加や東南アジア旅行客の増加で、Webサイトの多言語化は必要になるだろうと思っていたからです。とくにLCC就航増加によるメリットを受けるのは北海道や沖縄だろうと思います。
でもホームページの多言語化は実際にやるとなると翻訳だけの問題ではなくけっこう大変なので(このあたりで説明)、踏ん切りというかきっかけが付かない人も多いと思います。具体的な費用対効果が分からないですからね。
そういうときにありがたいのが補助金や助成金。
お金がもらえるという直接的なメリットももちろんですが、「なぜそれをするのか」「どのようにしたいのか」を他人に説明できる形にしなければいけないので、プランがブラッシュアップされます。
この事のメリットは、自分で作るときもそうですが、他人に任せるときはより顕著です。「なぜ」「どのように」が分かっていないと丸投げにしかならないですし、丸投げの結果はろくでもないものの高値掴みですから。
と、お説教じみてしまいましたね。すいません。
さっそく、具体的に活用できそうなホームページの多国語化につかえる助成金を見ていきましょう。
海外ビジネス戦略推進支援事業(中小機構)
中小企業者の方々の海外展開のための戦略策定や販路開拓に向け、F/S(事業可能性調査)や外国語Webサイト作成を支援します。
ということで、ストレートですね。ありがたい。
このうち、外国語Webサイトの構築は上限100万円のうち、最大50万円まで補助ということです。作るサイトの規模によりますが、今あるサイトのコンテンツを翻訳して外国語サイトを構築するに100万円というのは妥当な値段ではないでしょうか。
ただし、中小企業の(日本語の)Webといっても会社によっては前世紀末の開設以来の20年ものですので、なにも指定なしでベッタリと翻訳すると100万円ではきかないと思います。足りるとか足りないという以前に無意味ですよね。
そうなると、どの部分を誰に向けてどのように翻訳するかを絞り込まなければいけないわけですが、その部分のコンサルティングも他人に任せると100万円はすぐに足が出ます。
それだからこそ、このプログラムには、「海外展開事業計画策定支援」が含まれています。というかそっちがメインであって外国語Webサイトの構築はその実現手段の一つ。
「うちの商品は海外で売れるのだろうか」
「海外と言っても具体的にどこ?」
「その中の誰に、どういうふうに売る?」
といった至極まっとうな疑問からフォローしてくれるよく考えられた助成スキームだと思います。
現在のホームページでは公募は2017年6月30日に締め切ったということですが、これは平成29年度事業で、平成30年度事業もだいたい同じぐらいの時期に計画されているようです。まだ予算が成立していないので日程ははっきりしていませんが、例年で言うとおおむね3月に公募開始ということになりそうです。年間百数十社が採択されるとのこと。
宿泊施設のインバウンド対応支援事業(観光庁)
宿泊事業者(5以上)による協議会が「訪日外国人旅行者受入態勢拡充計画」を策定し、国土交通大臣の認定を受けた後、各宿泊事業者が実施するWi-Fiの整備、自社サイトの多言語化などの経費の1/3(上限100万円)を支援し、訪日外国人が快適に利用できる宿泊施設の拡大を図ります。
宿泊事業者限定ですが、採択数が初回(平成27年度)で1200件という大変気合の入った助成金です。前回(2017年10月2日締め切り)が第4回で、平成27年に1回、平成28年に2回、平成29年に1回募集しています。予算は成立したそうですが「第5回」がいつ公募開始でいつ締め切りかはまだ不明なようです。おおむね4月以降に決定され、夏前ぐらいに募集開始になるのではないかということ。
この助成金は単独で申し込むのではなく5社以上がグループを組んで申し込むことになります。また、自社サイトの多言語化だけでなく、公衆Wi-Fi設置やクレジット端末の導入、ムスリムのためのパンフレット整備など、観光庁が外国人旅行者を面として捉えようとしているのがうかがえます。
なお、これらの項目は全てやらなければいけないというものではないです。
自社サイトの多言語化だけが必要ならばそれで申請すればいいし、申請者の事情に合わせればよいようです。
インバウンドツーリズムについては、「日本が」とか「中国人が」とか主語を大きくして語ってしまいがちですが(筆者もそうです)、現実的な実行プランを用意して各主体ごとの自主性に任せ、そして潤沢な予算を用意するというので、これも観光庁が外国人旅行者の受け入れに対して本気でやっているのだと思わせる内容です。
最初はけっこう下世話に「お金もらえる」ぐらいのつもりで調べ始めたのですが、募集要項などを読んでいると、日本中の実務家の方がちゃんと考えていていろいろと頑張っているのだなと、すこし良い気分になりました。
この他にもまだ補助金や助成金があるみたいなので、見つけたら追加していきます。
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