初めてベトナム人のスキーについて説明します!
今、ベトナム人のスキーが、盛り上がっています。
熱帯の国ベトナムとスキーは全然関係がないようですが、それがそうでもありません。
これはグーグルトレンドの、ベトナム語のスキー(trượt tuyết)の検索トレンドのグラフです。2016年から急激に成長しています。
寒い国の人がトロピカルなビーチに憧れるように(ベトナムにはロシア人旅行客が多い)、暑い国の人は寒いという経験そのものに憧れはあります。ホーチミン市にはスケートリンクはありますし、氷点下カフェといったものもあります。
この数年で、ウインタースポーツの王様のスキーが、いよいよベトナム人の関心領域に入ってきたということでしょう。
なぜかというと、スキー旅行が現実的になってきたからです。
しかしベトナムにスキー場はありません。北部山岳地域はかなり寒いのですが、スキー場を開設できるほどではありません。ラオスやタイといった周辺国も同じですので、スキーをしようとすると、かなり大掛かりな海外旅行とセットになります。これはなかなかハードルが高い。
これは「もっとも豪華なスキー場トップ10」というベトナムの記事です。ベトナム語で「スキー場」で検索すると上の方に出てきました。見てみるとアメリカの豪華なスキー場がずらっとランキングされています。
なぜアメリカなのか? これは不思議な事ではありません。ベトナム戦争時にアメリカに亡命したベトナム人のことを「越僑」といいますが、ベトナムとアメリカとの関係回復後に、アメリカで成功した越僑が資本や生活スタイルや価値観を伴ってベトナムに帰ってくるというのが、ベトナムの近年の経済成長の要因のひとつでした。彼らを通じて、アメリカのスキー文化が、非現実的なあこがれを伴って入ってきたということはありうると思います。
しかしいかんせんアメリカは遠い。日本でもスキーをしにアメリカに行く人は少ないと思います。
ましてや、ベトナム国内にスキー場がありません。北国の人間がビーチに行ってもすぐにリラックスできますが、スキーは全くの初心者がいきなりスキー場に行ってもどうにもならないところもあります。
だからスキーは非現実的なあこがれだったのですが、ここにきて急激にスキーの検索が増えたのは、やはり「韓国旅行や日本旅行が現実的になったから」だと思います。
4日間のホーチミン市発の日本旅行のパッケージツアー。うち1日で山梨県のふじてんリゾートに行きます。
値段は17万円弱。
こちらは4日間の韓国旅行のうち2日をスキーリゾートに行くもの。ホーチミン市発。
お値段は7万円ちょっと。
というわけで、私は、ベトナム人の北海道へのスキー旅行はこれから盛り上げると思います。
以前の記事「この北海道へのLCCがすごい!!」で、ソウル・札幌のLCCは充実しており、ソウル経由で意外と北海道は東南アジアからリーズナブルだということを書きました。まだスキー目的の個人旅行が活発であるというほどではないと思いますが、その可能性はあるというように思います。
ツアー旅行では韓国に比べて日本は割高感が目立ちますが、ソウル・札幌のLCCが往復2万円程度であることを考えると、ここまでの値段差はちょっとつき過ぎであるように思います。
日帰り程度の「スキー体験」ではなく、本格的にスキーを楽しみたい、スキーそのものを目的として海外のスキー場に行くというニーズがこれから出てきた場合、設備や雪質やシーズンの長さなどを考えると、LCC利用の個人旅行で行く日本、とくに北海道は、かなりお得な選択肢だと感じられるようになるのではないかと思います。