2017年カンボジア・ラオス旅行1 空も飛べるはず
シアヌークビルにいます。
今日までロン島にいたのだけど、体調が悪い。だるいし腹具合が悪いし腰が痛い。
こういうときはマッサージだねと、2時間みっちりやってもらう。気持ち良いが、今ひとつ物足りない。
湯船に入りたい。
これはハードルの高い願望であるが、このシアヌークビルは中国人に占領された街。サウナもあってもおかしくないと、カジノやカラオケの立ち並ぶ一角に行く。
見当たらないのでトゥクトゥクにChinese sauna? と身振りを加えて尋ねると、セントラルマーケットのあたりにあるという。ここじゃないの? と思ったが行ってみることにする。
運転手あちこち聞いて回って市場の裏手の路地の奥に入ってく。サウナがあるようには見えない。
ついに到着したところは、ただの民家で、60オーバーのお姉さんが2人。本当にここで体洗うの? と聞いても、大丈夫だっていう。
お姉さんがたの年齢的にそっち方向に話が転がることはないだろう。怪しい雰囲気でもないし、とりあえず入ってみるか…
民家の奥の小部屋に連れられる。ベニヤに囲まれた小部屋にベッドが一つある。服を脱いで寝ろという。大丈夫だよね。いやマジでそっちはないからさ。カラダ、洗う、OK?
おばちゃん、OK!とカバンからクリームチューブを取り出す。いやそれOKじゃない。そして次にやおら取り出したのは、コイン。それで私の背中を擦りだした。
あ、そっちね。カオヨーね。
体を洗うゼスチャーをしてればそうとらえられるな。
ロン島で日焼けした背中にカオヨーはやめて。勘弁して。そっちの吸玉にして。
おばちゃんGiác hoiというベトナム語を解するらしく、この外人分かってんじゃんと、腕によりをかけて施術してくれた。腕から尻まで60個ぐらい吸玉をつけられた。泣きそうに痛い。やっと終わったと思ったら、取り外してまたつけ始めた。ローリングサンダーかよ!
ようやく終わって息も絶えだえ。
肩から胸にかけてがよろしくないらしい。これはカオヨーしないと、という。
いや、やめて。マジ痛い。
しかしその時、年期の入ったおばちゃんの体重にしっかり組み敷かれていた。
「ひィー、かンにン、堪忍やでぇ」
「あかーん、辛抱しぃや」
痛い痛いと泣き喚きながら、市場の裏手でいいようになぶられる私。どうしてこうなった。
でもおかげさまでもって、疲れも気だるさも一気に吹き飛びましたわ。空ぐらい飛べそう。